1. DCモータの速度制御
2. DCモータのトルク制御
3. DCモータの位置制御
1. DCモータの速度制御
モータは電圧を印加するとある速度で回転します。速度を変える場合、DCモータでは直流電圧を、ACモータでは交流周波数を変える必要があります。 電圧を変えるのと周波数を変えるのとでは電圧を変えるほうがはるかに簡単なので、速度制御用の小型モータはDCモータが主流になっています。次に制御方 法について説明します。
DCモータは印加電圧に比例して速度と拘束トルクが変わるので、印加電圧を変化することにより希望する速度に設定できます。
SS32G(DC24V)の特性曲線をFig.1に示します。
このモータの印加電圧を6V、12V、18V、24Vにしたときの負荷特性をFig.2に示します。DCマグネットモータは、電圧に比例して回転速度が変
化します。
永久磁石を使用したDCモータは軸を外力によって回転させると、回転速度に比例した電圧を発生する発電機になります。 モータに電圧を印加して回転しているときもこの発電作用は内在しています。これをモータの逆起電圧と呼んでいます。 この逆起電圧を検出してモータ速度を推定できればフィードバック制御によりモータの負荷特性が改善できます。 先ほどの電圧制御方式では印加電圧が常に一定のため負荷がかかると回転が下がってしまいましたが 逆起電圧と速度設定電圧を比較して回転が下がった分だけ印加電圧を上げれば負荷トルクに無関係に速度一定に近づけることが可能になります。 これは簡易的な自動制御になります。
精密な制御を行うサーボドライバには速度検出器の付いたサーボモータを使用します。速度検出器にはDCタコジェネレータやエンコーダがあります。 速度検出器はモータ速度に比例した速度信号を発生し、直線性や温度特性に優れているので、超低速でも安定した制御が行えます。
DCモータは印加電圧と無負荷回転速度が比例関係になり、電流とトルクも比例関係になります。 従いまして、DCモータに流れる電流を制限することにより、出力トルクの制御が行えます。
DCモータに同じ周期の正/負電圧を連続的に印加するとモータは停止状態になります。さらに、速度フィードバック、位置フィードバックを行なうと、 停止中でも保持力が発生して、サーボロック状態になります。 DCモータの位置制御は停止中のモータに位置指令を入力して、目的の位置まで移動させて、モータを停止させる制御です。 位置センサにポテンショメータを使うアナログ位置制御と、位置センサにエンコーダを使うデジタル位置制御があります。
アナログ位置アンプ(SAP-1210A)、速度制御ドライバ(可逆型)、ポテンショメータや差動トランス を使って位置のフィードバック制御を行います。※停止精度は精密ではありません。 モータにタコジェネレータやエンコーダがなくても制御は可能です。
偏差カウンタ(SEC-P500)、エンコーダフィードバック速度制御ドライバ(可逆型)、エンコーダを使って位置のフィードバック制御を行いま す。 停止精度は、エンコーダ出力パルスの±1パルス以内です。エンコータ付きモータまたは、制御対象にエンコーダが必要です。 ※ SEC-P500は生産終了しました。